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INPHAZE アプリケーション:膜

INPHAZE アプリケーション:膜

膜、及び膜の汚れ

INPHAZE インピーダンス・スペクトロメータは広い周波数域にわたり、比類ない精度でフェーズアングルを測定します。これによって:

  • 拡散分極層やケーキ層などの膜内の下部構造層や、膜の表面を構成する個々の層の誘電特性を分析
  • 操業中に起こる膜の汚れによって生ずる特性の変化を、オンラインでデータ換算処理して in situ 分析

膜の基準層と表層は、キャパシタンス C とコンダクタンス G の値で其々表されます。 キャパシタンスは素材の誘電分極率を表わす一方、コンダクタンス成分はイオンの電気拡散から誘導されます。

このような二つの層が並列になると、その成分構造の特性を反映しキャパシタンスとコンダクタンスは周波数で変化します。

高分解 INPHAZE スペクトロメータと解析ソフトウェアを使えば、広い周波数帯域にわたってキャパシタンスとコンダクタンスが測定でき、個々の膜層のパラメータを分析することが可能となります。

膜に汚れが生ずると、誘電パラメータが変化します。膜を使って操業しながら、これらの変化がインピーダンス・スペクトロメータを使って測定できます。

膜の構造

下は微細多孔質濾過膜の電子顕微鏡写真です。この膜は明確に二つの層から成っています:表層、及び下部層

膜の構造

電解溶液に接するこのようなニ層下部構造を含む膜の等価回路

膜の汚染

膜に汚れが生ずると誘電パラメータが変化します。膜を使って操業していても、これらの変化をインピーダンス・スペクトロメータを使って測定できます。

逆浸透 (RO) 膜の汚染

汚染、及び未汚染膜のインピーダンススペクトラは三種類のエリメントを表します;表層、膜下部層、拡散分極/汚染層

下の図は、汚染及び未汚染 RO 膜のインピーダンス vs 周波数です。汚染によって、拡散分極層 (アルファ) 内のコンダクタンスのスケーリングファクターが減少します。 ここでは CaCO3 を暴露しました。

薄膜太陽電池のコンダクタンス、キャパシタンス、及びフェーズの測定

換算処理したデータから、基本的な膜のエリメント (表層及び下部層) は汚れでは変化しないことが判ります。これは逆浸透 (RO) 膜内には孔隙が存在しないことを推測させます。しかし内部の分極層に関しては、膜の汚れによってそのパラメータは顕著に変化します。 表面上にファウリング(汚れ)層が形成されると、拡散分極が起こる膜と溶液との界面では顕著な変化が生じます。

従って、界面分極層ではコンダクタンスのスケーリングファクターから膜の汚れが簡単に説明することができます。基本的な誘電パラメータの特性によってこのデータを換算処理すると、 直接膜の汚れの状態が判明します。

ナノ濾過 (NF) 膜

INPHASE スペクトロメータを使ってNF膜の表層と下部層、さらに拡散分極層内の変化から膜の汚れが検出できます。 これはNF膜には明白な孔隙が存在することを推測させます。

ナノ濾過 (NF) 膜