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INPHAZE アプリケーション:太陽電池

INPHAZE アプリケーション:太陽電池

光起電力電池 & 半導体

INPHAZE インピーダンス・スペクトロメータは、比類ない精度で広い周波数域にわたってフェースアングルの測定ができます。これによって:

  • ナノスケールや原子レベルで明確な構造を分析
  • 光起電力電池の空乏層を分析
  • 電荷キャリアのトランスポートプロセスの特性を分析し、薄いフィルム型電池の p 型(または n型 ) 領域や電荷インジェクション・キャパシタンスなどの特性を明らかにします。
光起電力電池の誘電体構造

半導体光起電力電池には幾つかの異なる領域が含まれています; 半導体の結合領域、p型領域、n型領域、及び空乏層 (Fig.1)。

空乏層は一般的に厚さは数百ナノメートルですが、p型及び n型領域の大きさは電池のタイプによって異なります。薄いフィルム型電池では、 これらの領域の厚さは空乏層の厚さと同等かそれ以下です。

ガラス製太陽電池上の薄い結晶シリコンは、その一例です (Fig 2)。

n型層への高濃度ドーピングのために、これらのディバイス内の空乏層は p型領域のほぼ全域に伸びています。

光起電力電池の誘電体構造

電荷注入と拡散分極効果

系にAC電流を流すと、空乏層境界面では電子ホールでの再結合と逆拡散によってキャリアの集積と空乏とが平衡化します。これによって減衰が起こり、図に示すように電荷伝播波が生じます。

このような分極効果によって、キャパシタンスとコンダクタンスが組み合わさったインピーダンスエリメントにつながります。この分極層による分散は、極めて低い周波数でしか認められません。 高い周波数では、AC電流の各半サイクルの時間が短くキャリアー濃度が増加しません。

電荷注入と拡散分極効果

実験データ - 薄膜太陽電池のコンダクタンス、キャパシタンス、及びフェーズの測定:

  • 1 Hz 以上の周波数では、測定結果は2層モデル (p型層と空乏層) と一致しています。
  • 1 Hz 以下の周波数では、周波数の低下に伴いキャパシタンスの増加 (丸く囲った部分) を示しています。これは拡散分極インピーダンスのエリメントに起因しています。このレジームでのフェーズアングルは小さいですが、INPHAZE スペクトロメータを使えば周波数関数としてキャパシタンスが測定できます (図参照)。これはINPHAZEが0.001度という極めて高いフェーズ分解能を持ち、拡散分極効果の特性が分析できるからです。
  • これらの測定から、空乏層とその外側の p型領域の誘電構造、チャージインジェクションや拡散プロセスの特性が分析できます。

薄膜太陽電池のコンダクタンス、キャパシタンス、及びフェーズの測定

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